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  3. 石川遼のショットを追体験する関西屈指のトーナメントコース 兵庫県加東市/ABCゴルフ倶楽部
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神戸から六甲山を抜けた場所に関西でも屈指のトーナメントコースがある。石川遼がプロ転向後初優勝を決めたコースで、景観は変化に富み印象深い。チャンピオンコースでのプレーはツアーの興奮を体験できる。
ABCゴルフ倶楽部
所在地:兵庫県加東市永福933番地20
TEL:0795-47-1000
ホール:18コース パー72 チャンピオン7235ヤード/バック6740ヤード/レギュラー6342ヤード/レディス5856ヤード
開場:1985年
コース設計:鈴木正一、佐藤健
ゲストプレー料金:平日2万6420円、土日祝3万2720円(全組キャディ付き5人乗りカート使用)
※原則として会員の紹介が必要で1組4名でのプレー。土日祝は会員の同伴が必要
神戸から六甲の山並みを抜けて北の三田市方面へ向かう。  

このあたりは阪神間のベッドタウンとして発展してきた田園都市だ。

中国自動車道が東西を結び、南北には舞鶴若狭自動車道が通っている。
さらに北へ向かえば篠山市に至る。
三田市の西側が加東市。明石市の北、西脇市の南に位置する。  

この周辺には丘陵を切り拓いて造られたゴルフ場が数多く点在している。  

今回、足を運んだのは、トーナメントでも有名な「ABCゴルフ倶楽部」だ。

「ABCゴルフ倶楽部」といえば、鮮明に思い起こされるのが、2008年に石川遼が18番ホールで放った水切りショットだ。

「マイナビABCチャンピオンシップ」と名称が変わったばかりの大会で、初の栄誉に輝いたのは17歳にしてプロに転向したばかりの石川遼。

最終日、トップの深堀圭一郎を3打差で追う石川は、14番まで我慢のパープレーを続けた。
15番パー5でバーディパットを沈め、ようやく深堀に追いつく。
16番パー3では221ヤードを1オン。長めのパットを入れてバーディとし、単独トップとなる。

深堀と2打差で迎えた18番、525ヤード、パー5。このホールのセカンドショットはグリーンを狙えるが、池越えでかなりの距離が残る。ティショットではきっちり飛ばしてフェアウェイに置きたいところ。

ところが石川は左のラフに入れてしまい、つま先下がりの難しいライになってしまった。ふつうならここで刻んで次のショットできっちりとピンに寄せていくところだが、石川はあえて池越えを狙った。

パー4、421ヤード1番ホール。18ホール中16ホールがティグラウンドからグリーンを見渡せる
軽い左ドッグレッグ、パー4、439ヤード17番ホール。春には数百本の桜がみごとにコースを彩る
17番ホールのグリーン左にある黒石と鳥居。大坂の陣の落武者、山口長兵衛宗長がこの地を開墾して居を移した際、大きな黒石が屹立していたものを、以来代々正月にしめ縄を張って拝んできた。コースの守り本尊として鎮座している
数々のドラマを生んだパー5、525ヤードの18番ホール。狙いどころを考えさせる名ホール。ロングヒッターは2オン狙いも
渾身のパワーを込めたショットは池を超えたもののグリーンには届かず、ボールは手前の土手に阻まれて池の縁まで転がり落ちてしまった。

第3打、石川は右足を水に浸したまま、水中のボールを打った。適度な高さで打ち出されたボールはグリーンをとらえ、カップに吸い寄る。

残り3m。深堀がバーディパットをねじ込み、1打差に迫る。

石川のバーディパットはカップを大きく越えてしまったが、返し1mのパーパットを見事沈め、史上最年少でのツアー初優勝を決めた。

「ABCゴルフ倶楽部」は、トーナメントの開催を目的として、鈴木正一氏、佐藤健氏の設計によって1985年に造られた名コースだ。  

86年、88年には早くも「日本女子プロゴルフ選手権」を開催。
88年から93年までは、当時ツアー最高賞金額となる「ラークカップ」が行われ、94年~03年は「フィリップモリスチャンピオンシップ」、04年~07年は「ABCチャンピオンシップトーナメント」が行われてきた。

石川遼が優勝した08年から「マイナビABCチャンピオンシップ」と名称が変わり、今日に至っている。

ほとんどすべてのホールのティグラウンドからグリーンを望むことができ、コースの高低差は17mほどしかない。丘陵コースではあるが、関西のこの一帯では珍しいフラットなコースだ。

自然の起伏をうまく利用して造られた広いフェアウェイには、アクセントをつけるように約90のバンカーと大小12の池が配置され、戦略性のあるプレーが求められる。

04年に20周年を迎えたことを機に、2グリーンを、戦略性を重視したベント1グリーンに大改造した。

08年3月にはバンカーの砂をベトナム産の白砂に入れ替え、フェアウェイの緑とのコントラストが一層美しくなった。
また、砂が柔らかく、ウエッジがふわっと抜けていくように仕上がっているので、距離感を合わせるには多少の慣れが必要だ。

名物の18番ホールは、池を10ヤードグリーン側に拡張。ショットの難易度がさらに上がった。石川は池に入ることを想定してチャレンジしたわけだが、同じようにグリーンを狙い、水切りショットを追体験するアマチュアゴルファーも少なくない。

ショップはウエアを中心に小物がしっかりと揃っている
名物カレーラーメン。鶏ガラの中華スープをベースに秘伝のカレースパイスを調合。来場者の4分の1が注文する野菜たっぷりの人気メニュー
お造り、炊き合わせ料理、ちりめん御飯がセットになったひょうたん弁当
そしてグリーンは、大会では2.8ミリまで刈り込まれる。
グリーンは硬く締まり、ボールは鏡面を滑るように転がってゆく。トーナメントグリーンがいかに速く、微妙なタッチを求められるか、プレーをすればその難易度を身をもって体験することができる。

プレー後は美肌効果のある温泉がカラダを癒してくれる。
地下170mから炭酸水素ナトリウムを多く含む鉱泉が湧出。

自然の効能をカラダで受けとめながら。一日のプレーを振り返る贅沢な時間がここにある。
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中国自動車道・ひょうご東条IC で降り、出口正面の交差点(ひょうご東条インター前)を右折する。50m先の信号(南山東)を右折。直進して、中国自動車道を越え次の信号(永福)を右折すれば一本道。永福の交差点から約5分ほどで着く。
< PROFILE >
長岡 努
編集者。元ゴルフ月刊誌『waggle』(ワッグル)デスク。現在もゴルフギアやルポを中心に『waggle』、週刊『パーゴルフ』などで執筆中。都会と田舎暮らしの二地域居住のヒントや情報を提供する[デュアルライフプレス]を主宰している。
http://blog.duallifepress.com
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