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  3. 連載第13回 画面の中の”邪魔モノ”を研究してみよう!
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風景写真を撮影して自宅に戻り、パソコンの大きな画像で眺めたり、プリントアウトしたときに、「むむ!なんだか邪魔なモノが写っているぞ」というケースがしばしばあります。それでは“邪魔モノ”とはなんでしょう。今回は画面の中の邪魔モノを研究します。


里山が緑に覆われるこの季節は、ぶらり旅にでかけるベストシーズンです。カメラを片手にドライブをして、気の向くままに辺りの“よさげな雰囲気の場所”をパチリと写してみたくなります。
しかし、撮ってはみたものの、「なぜだか思ったような雰囲気にならないな~」と感じることも多いのではありませんか?

その原因の多くは、雰囲気を損ねる邪魔モノが画面に入ってしまっているからです。そこで、今回は画面の中の邪魔モノについて解説していきたいと思います。



写真A・Bは長野県にあるJR篠ノ井線の姨捨駅です。「日本3大車窓」に数えられ、駅のホームから善光寺平が一望できる絶景スポットです(長野自動車道下り姨捨SAのスマートICからだとすぐに行けます)。

姥捨駅の広いスケール感が撮りたいと思えば思うほど、通常は広角レンズでできるだけ広く撮ろうとしてしまいます。
しかし、広く撮ろうとした分、ホームにある街灯や横断幕が入ってしまったばかりか、画面の上のほうには無数の電線が入ってしまい、せっかくの写真が台無しになってしまいました(写真A)。

そこで、レンズのズームを活かして周りのいらない部分を排除。すっきりとした画面構成にしたのが写真Bです。
このときに大切なのは、「大胆さ」です。

もしかしたら、入れたい部分が入らないかも知れません。それでもOK。あれやこれやと考えずに、すっきりとした画面をめざすのが重要です。


写真A

写真A-2

写真B



写真CとDは、熊本県JR三角線の終点の三角駅です。天草方面への玄関口ということで、教会風の駅舎になっています。

ここでも漠然と撮ってしまうと、電線や横断歩道が入ってしまいます(写真C)。そこで、写真A・Bとは逆に、広角レンズを用いて駅舎に近づいて撮影したのが写真Dです。

近くから広角レンズを使用することで駅舎全体をとらえていながら、余分な電線や横断歩道がカットできました。


写真C

写真D



写真E~Hは秩父鉄道秩父線の白久駅の改札口です。

現在では改札口に駅員さんが立つことはなく、乗客を出迎えるために花が飾られています。写真Eで全体の雰囲気がわかっていただけると思います。


写真E


さて、その改札口のたたずまいを狙ってみました。
最初に漠然と写したのが写真Fです。この写真の一番の欠点は、画面右側の赤色のポスターです。このポスターに目がいってしまい、改札口の花の存在感が薄くなってしまいました。

そこで、その部分を排除するようにカメラを左側に振り、ちょっと古そうな時計と蛍光灯をアクセントに入れたのが写真Gです。写真Fと比べると、雰囲気がよくなったのがわかると思います。

写真Gも気に入っているのですが、さらに花の存在感を引き立たせるため、広角レンズに切り換えて花に近づいて撮影したものが写真Hです。改札口の先の風景が見えにくくなってしまいましたが、改札口のレトロな雰囲気を表現できました。


写真F

写真G

写真H


ファインダーの中に注意を配り、何が必要で何が不必要かを考えてレンズや撮影位置を決める。それだけで、ずいぶん写真は変わってくるでしょう。

※駅によっては駅前に駐車場がない場合があります。車は安全な場所に止めてから撮影しましょう。



長野県長野市の「ギャラリープラザ長野」におきまして、個展「駅彩 ~信州・癒しの駅を訪ねて~」を下記の日程で開催いたします。私が10年間で撮り集めた長野県内281の駅の中から厳選した40作品を展示いたします。お近くにお越しの方は、ぜひお立ち寄りください。
http://www.ekitabi.com/osirase1.html

会期:2012年7月19日(木)~24日(火)
時間:10:00~18:30
会場:ギャラリープラザ長野
http://www.82bunka.or.jp/gallery/plaza/
長野市新田町1513-2(82プラザ長野内)
入場:無料
駐車場:建物西脇にコインパーキング有
アクセス:長野県庁を背に昭和通りを東へ進み、中央通りとの交差点角。こちらのサイトでもお知らせしています。
< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘンステーション」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。



阿波おどりのポスターです。迫力満点の写真ですね!
飛び散る汗、大きな掛け声、弾ける笑顔。夏はお祭りのシーズンです。
日本各地に伝わるお祭りを撮影しに出かけましょう。

筆者が暮らす東京・深川では江戸三大祭りのひとつ「深川八幡祭り」の本祭りがこの夏開催されます。
通常3年に一度の本祭りですが、昨年は震災の影響で延期となりました。

このお祭りは各町50基以上の大人神輿が揃い、各町をあらかじめ決められた順番どおりに練り歩き、沿道からは神輿や担ぎ手に水が勢いよく掛けられます。
いくつもの神輿と担ぎ手、炎天下で光る水のしずく、それらをファインダーにとらえてください。



また、筆者が取材を望み、今から10年以上前に実現したのが徳島の阿波おどりでした。
祭りに取り組む人々の情熱、熱心な稽古風景、本番での圧倒的な踊り。それらは生涯忘れられない取材になりました。



さて、祭りを撮影するために用意したいものは三脚(夜のお祭りも多いため。スムーズな動きができる一脚も便利です)、全体をとらえるワイドレンズ、神輿などをアップでとらえるための望遠レンズでしょう。
シャッター速度をわざと遅くして、踊り子をブラして撮影するのも手です。
なお、祭りによっては観客席の事前予約を行っています。すでに満席の場合もありますが、それを確保できればよりいい場所で撮影できます。
さあ、全国のお祭りに出かけましょう。
青森ねぶた祭り【青森県青森市】
http://www.nebuta.or.jp/
会期:8月2日(木)~8月7日(火)
七夕祭りの灯篭流しの変形だろうと伝わるのが迫力満点の青森ねぶた祭りです。奈良時代に中国から渡来した七夕祭と津軽に伝わる精霊送りや人形、虫送りなどが一体化されたと考えられます。夜間であってもねぶたは案外明るいので、シャッター速度やISO感度を変えてバリエーション豊かに撮影してみてください。

竿燈まつり【秋田県秋田市】
http://www.kantou.gr.jp/index.htm
会期:8月3日(金)~8月6日(月)
五穀豊穣や技芸上達を願って行われる「ねぶり流し」。とくに提灯が46個ついた「大若」「中若」をみごとに操り、大通りを連なって行く様子は圧巻です。フォトコンテストも開催されています。昨年の作品を見ると提灯の明かりを幻想的にとらえていたり、ズームを操作して臨場感のあるおもしろい演出の写真が印象に残ります。

山形花笠まつり【山形県山形市】
http://www.hanagasa.jp/
会期:8月5日(日)~8月7日(火)
華やかな山車を先頭に、魅惑的な衣装と花笠の踊り子たちが練り歩きます。歴史は意外に浅く、昭和38年に山形県や蔵王の観光PRを兼ねて「花笠音頭パレード」として開催されました。その後、昭和40年に現在のかたちとなり、今では東北四大祭りのひとつになっています。踊り子たちの表情を見逃さないで撮影したいものです。

仙台七夕祭り【宮城県仙台市】
http://www.sendaitanabata.com/
会期:8月6日(月)~8月8日(水)
伊達正宗が七夕祭りの和歌を8首詠んでいることからもその歴史の長さがわかります。いっとき途絶えた時期もありましたが、戦後に復活して今日にいたっています。現在では竹飾りだけでなく、パフォーマンスなども行われて人気を呼んでいます。華やかな竹飾りをクローズアップしてもおもしろい写真が撮れるでしょう。

富岡八幡宮(深川八幡)本祭り【東京都江東区】
http://www.tomiokahachimangu.or.jp/
会期:8月11日(土)、8月12日(日)、8月15日(水)
50を超える神輿が各町をまわる「神輿連動渡御」は12日に行われます。前回同様に奥州平泉の神輿も参加。同じように思える神輿でも、各町によってそれぞれ特徴があり、それも興味をそそります。また、沿道で待機して水をかける人々も見ていて楽しいもの。カメラにビニール袋をかけるなりして、水対策が必要かもしれません。

越中おわら風の盆【富山県八尾市】
http://www.yatsuo.net/kankou/
会期:9月1日(土)~9月3日(月)
清涼感漂う揃いの浴衣に編み笠といった“風”を感じさせる幻想的で優美な女性たちの踊り…。1702年に加賀藩から下された「町建御墨付」を八尾の町衆が町の開祖米屋少兵衛家から取り戻した祝いに3日3晩歌舞音曲無礼講の賑わいで町を練り歩いたのが始まりと伝わっています。幻想的な練り歩きを撮影したいものです。

大文字五山送り火【京都府京都市】
http://www.kyokanko.or.jp/3dai/daimonji.html
会期:8月16日(木)
大文字送り火【奈良県奈良市】
http://narashikanko.jp/j/ivnt/ivnt_data/ivnt97/
会期:8月15日(水)
ともに古都を彩る送り火です。京都では「大」「鳥居形」「妙」「法」「舟形」が描かれます。奈良では「大」の字が大きく浮かびあがり、お盆に迎えた精霊を再び冥府に送る意味をもっています。撮影方法としては三脚でしっかりとカメラを固定し、シャッター速度を長めにして山の輪郭などもとらえるといいでしょう。

阿波おどり【徳島県徳島市ほか】
http://www.awanavi.jp/awaodori/category/0004774.html
会期:8月12(日)~8月15日(水)
これまでにさまざまな地域で夏祭りを取材した筆者がもっとも見たかったお祭りで、それは今から10年ほど前に実現しました。「連」と呼ばれる班ごとに違う踊り。艶やかな女性踊りに情熱的な男踊り。まさに期待通りでした。あのときの興奮は今でも忘れられません。スローシャッターで激しい男踊りをとらえてもおもしろい仕上がりになるでしょう。

山鹿灯籠【熊本県山鹿市】
http://www.y-kankoukyoukai.com/event/touroumatsuri.html
会期:8月15日(水)~8月16日(木)
濃い霧に行く手を遮られていた景行天皇の御一行を、松明を掲げた山鹿の村人たちがお出迎えしたというのが起源と伝わるお祭りです。奉納灯籠踊り、花火大会、景行天皇奉納儀式、たいまつ行列などもりだくさんですが、筆者は数多くの灯籠が灯った幻想的な光景に圧倒されました。ISO感度を高めて撮影してください。
http://www.president.co.jp/photocon/themes/

雑誌『プレジデント』を発行しているプレジデント社が主催する写真コンテストです。
協賛の13の企業ごとにテーマが決まっているのも独特の方法。「環境大臣賞/環境フォト大賞」=1名30万円をはじめ、協賛企業13社のテーマごとの優秀賞も用意されています。
協賛企業のテーマは以下のとおりです(一部抜粋)。

●伊藤忠商事賞[気候 ~そのめぐみ~]
●岩谷産業賞[森の仲間たち]
●日本生命賞[たくましく生きる力]
●JT賞[共存]
●JR東日本賞[自然との調和]
●日立システムズ賞[驚きと感動の瞬間]
●日立ハイテクノロジーズ賞[子ども ~よく学び、よく遊べ~]

さまざまなテーマが設定されているので、お気に入りの1枚をいちばん合うジャンルで応募してみましょう!

応募締切:2012年8月27日(月)
※優秀作は『プレジデント』誌への掲載ほか写真展などでも展示される可能性があります。
編集部が取材で出かけて撮影したたくさんの写真の中から、壁紙向きの写真をプレゼントします。お気に召されたら、壁紙などにお使いください。



隅田川にホタルが浮かぶ(?)と聞いて、ゴールデンウイークの1日を浅草と隅田川に取材に行きました。そびえたつ東京スカイツリーはやがて夕焼けに染まり、空が暗くなってきたころ、隅田川を流れてきた青い光と同じ色に彩られました。
< 著者PROFILE >
構成と写真
篠遠行彦
東京都生まれ。雑誌編集長などを経てカメラ&ライターになる。かつてはパキスタンの日本総領事館に勤めていたという異色の経歴をもつ。
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