1. Smart Accessトップ
  2. おでかけマガジン(+バックナンバー)
  3. 「炎のある生活」に憧れて
「Smart Access」おでかけマガジン 毎月2回、「Smart Access」会員のみなさまへ、旬のドライブ&スポット情報をお届けします。
トップページへ戻る
アウトドア好きのほとんどが「炎が好き」という統計がある。キャンプサイトで炎を楽しみながら飲むビールやホットワイン。それが至福のひとときなのは、ほとんどのキャンパーが知っている。でも、雪のある冬にテント・キャンプをするのはいささか勇気がいる。そこで、おすすめは薪ストーブや暖炉のあるコテージだ。

日本の古民家には囲炉裏があり、人々は炎と一緒に生活してきた


庭の端には夏の間に切り出された薪が積まれて…
ずいぶん前になるが、キャンプ好きの先輩に連れられて「冬の日キャンプ」を実施した経験がある。雪が積もったサイトの上にテントとタープを張って泊まったのだ。

太陽が顔を見せているうちは快適だった。

夏よりもキャンプ場ははるかに静かだし、自然のやわらかな音がぼくたちを和ませてくれる。太陽が沈んでからも数時間はまだ大丈夫。温かいスープをいただき、薪をたっぷりとくべた大きな炎を囲みながらホットウィスキーを楽しんでいた。

しかし、冬の日キャンプは夜が長い。午後4時過ぎから暗くなってしまうから、夕食を食べてお酒を楽しんでいると、たっぷり時間が経ったように感じるのだが、時計の針はまだ8時ぐらいを指している。

こうなるとやることがない。星空にも飽きてしまったし、揺れ動く炎も4時間見続けているのだからもう十分。
お酒も気持ちよく体内に浸透しているから眠くなる。
哀しいことに、メンバー全員が眠くなる。

こうして、冬の日キャンプ初級者のぼくたちは奈落の底に落ちていく。



みんなで同時に眠りについたものだから、誰も薪をくべない。威勢のよかった炎は徐々に小さくなって暖かさを失う。

冬の日キャンプに慣れていれば、防寒パッドやウインター用シュラフなどの備えも豊富で、まるで登山家のように万全かもしれないが、ぼくらはそうではなかった。

スリーシーズン用シュラフを毛布でちゃちゃっと補強。テントの下にはブルーシートを敷いて、内側に毛布を敷いたのだけど、すべてがにわか対策。寒さはじわじわとぼくらを襲ってくる。

身体が芯から冷える。それでもうとうとするのだが、寒さのために深い眠りには落ちない。

悲劇は明け方起こった。誰かが冷房機のスイッチを入れてしまったのかと思うほどの寒風がテントの中を襲う。あまりの寒さに潜ったシュラフから顔が出せない。モルモットのようにシュラフの中で丸まってじっとしているのがやっと。

1時間は耐えただろう。空が明るくなってきたから、ぼくは勇気を出してシュラフから顔を出してみた。すると、外は大雪。3人分並んだシュラフの上には雪が積もっていた。

原因はその後にわかった。タバコの煙を気にした先輩が、換気のためにテントを開けたのだが、酔っていたためにそのままシュラフに潜り込んで寝てしまったのである。そのあげくの「テント内降雪」という珍事。

迷惑な話である!

暖炉の上にお鍋ややかんを置いておけば冬はいつでも温かいものが


リビングにあるだけで、ほっこりとした雰囲気を生む薪ストーブ
2年前までうちのボスと一緒に、田舎暮らしを始めた人の生活を追っていた。某新聞系サイトで、移住者の物語をボスが連載していたためだ。

関東近郊から東北、上越、北海道など全国の移住者を訪ねたが、炎のある生活はすごくうらやましく思えた。

古民家を借りたり、買った人は「囲炉裏(いろり)のある生活」を謳歌していた。

川で釣ってきたイワナやニジマスを炙ったり、鍋をかけたりして、囲炉裏を存分に生かしていたのだ。

また、別荘や山小屋を建てた人は、数十万円する薪ストーブを設置して、薪をくべるのを冬の日の楽しみとしていた。

それらの暮らしぶりは本当にうらやましかった。都会のマンションで暮らしていると、キッチンの小さな炎で精一杯。その点、彼らは炎を日常に使っているのだ。



冬の日に装備が万全ではないと、キャンプは少々やっかいなものになる。

でも、冬の日だからこそ、炎とともに過ごしてみたい。

そこでおすすめなのが薪ストーブや暖炉のあるキャンプ場のコテージだ。調理ができる場合もあるのだから、アウトドアではないけれど、ワイルドに活用してみたい。
北軽井沢スウィートグラス
【群馬県吾妻郡長野原町北軽井沢】
http://sweetgrass.jp/index.html

施設は全棟薪ストーブ設置。ストーブクッキングも楽しめるほか、薪の使用料も込みなので、必要に応じて薪が使える。
碓井峠コテージ くつろぎの郷
【群馬県安中市松井田町坂本】
http://www.usuitouge.com/kutsurogi/index.php

4人用から8人用までコテージを完備。吹き抜けのリビングや薪ストーブの暖炉などがリラックスムードを盛り上げる。
桜ヶ丘パークコテージ
【長野県北佐久郡軽井沢町長倉】
http://www.sakuragaoka-park.jp/index.htm

おすすめは4~7人用の「Iタイプ」。リビングにノルウェー製の薪ストーブがあり、暖かくてほっこりする雰囲気だ。
ログコテージ霧ヶ峰
【長野県諏訪市霧ヶ峰高原】
http://www.kirigamine.com/index.html

全11棟のコテージはすべて薪ストーブを完備。ベランダ露天風呂もあるが、冬季にはどうか? ペット対応も十分。
なべくら高原森の家
【長野県飯山市なべくら高原】
http://www.iiyama-catv.ne.jp/~morinoie/syukuhaku_shisetu.html

コテージは10棟で和室、ベッドタイプなどがあるが、そのなかに薪ストーブが設置された「薪ストーブタイプ」がある。
以上は主にキャンプ場などのコテージであり、調理などを自分で行うところを選んだ。しかし、薪ストーブや囲炉裏があることをセールスポイントにしている「宿(食事付)」もたくさんある。炎のあるところに宿泊して、冬のアウトドアを存分に遊んでほしい。

※コテージ紹介を目的に、それぞれのホームページより写真をお借りしました。


●オートキャンプ場ガイドおよびオートキャンプ場の予約なら
社団法人 日本オート・キャンプ協会
http://www.autocamp.or.jp/
< PROFILE >
浜口昭宏
雑誌やWEB編集を始めて数年の編集者。超がつくほどのアウトドア初心者だったが、猛勉強をしてそれなりに成長。アウトドアの中で大好きなシチュエーションは、ビールがおいしいBBQ。
  • スポット特集
  • B級グルメ特集
  • オートキャンプ特集
  • レジャー&リゾート特集
  • ロケ地特集
  • 絶景特集
  • 子供といっしょにお出かけ特集
  • 特産品・名産品特集
  • 温泉・スパ特集