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寒い日が続き、外に取材に行くのは億劫と、ちょっとばかり怠けていたら「ボルダリングがいい」と友人に誘われた。「ボルダリング」とは、もともと大きな岩や絶壁を登るスポーツ。それが今、室内で体験できるのだ。

入口から見てジムの左手には傾斜角度の異なる人工壁が続く


会社勤めのときも谷川岳などに登っていたと言う田村さん。現在は船橋ロッキーの代表取締役だ


「球体の壁」。いったいどうやって登るのだろうと圧倒される
東京・港区の東京入国管理局のすぐそばにある「ロッキーボルダリングクラブ東京」の扉を開けると、細長いジムの左手にさまざまな色の「ホールド(手掛かり)」が取り付けられた人工壁が続く。

その人工壁は一定ではない。

「垂直の壁(90度の壁)」があれば、手前に20度傾いた「110度の壁」、手前への傾斜が増した「130度の壁」、まるで天井のような「160度の壁」と多様だ。半球状にホールドが貼りついた「球体」は、どことなく小宇宙を感じられる形体になっている。

人工壁をよじ登るのは、フジテレビの人気番組『VS嵐』のアトラクションのひとつである「クリフクライム」でもおなじみだ。嵐のメンバーやゲストがリードをつけて人工壁を登り、途中にあるポイントボタンを押していく。

しかし、ここの様子は若干違う。ジムにやってきた人たちが人工壁に挑む姿を見て気付いた。リードがないのである。

「リードを付けるリード・クライミングは人工壁の高さが10mくらいあります。しかし、ここの人工壁の高さは3mほどです。床には厚さ30cmのマットが敷き詰められています。安全に気軽に楽しめて爽快感もあります」と、話してくれたのはクライミング&ボルダリング・ジム「船橋ロッキー」の田村幸雄さんだ。

リードがあれば、たいていの場合は1名の補助が必要になる。しかし、リードがなければ自在にトライしたい壁に挑戦できる。ミスをして落ちても下がマットだから心配はない。

この気軽さが評判になって、会員数は1日平均で25名以上増加中だと田村さんが言った。

横に長い人工壁を、目標地点を定めて進んでいく


女性の会員も増えた。1日滞在して少しずつ上達に励む


キッズ用のレンタルシューズもある。家族で体験してみよう
「クライミングが登山家だけのものだったのは昔の話ですよ」と田村さんが笑う。

「1960年代に大自然の岩山や岩場に挑戦するためのフリークライミングが欧米で始まりました。80年代にはその練習用としてインドアクライミングが始まっています。仲間がヨーロッパで見てきて、日本でも埼玉県に最初のインドアができています。私たちのロッキー船橋ができたのは93年です。しかし、現在ではフィットネスクラブのひとつと考えていいでしょう。それは、やってみればわかります」

田村さんが言うように、ジムの中には就職活動の合間に“息抜き”に来たという学生たちや、始めて間もないという女性もいた。

彼らの動きを見ていると、「手だけの運動」でないのがわかる。

足を動かさないと、次へは進めないのだ。腹筋や背筋も鍛えられる。身体全体をうまく使ってこそ、人工壁を思い通りに進めるようになる。

「初めてやって来た方は、手の力だけを頼りに進もうとします。その結果、翌日には腕の筋肉痛で、ペットボトルのキャップすら開けられなくなります。ボルダリングはまさに全身運動。全身を巧みに使うからこそ、壁を登れ、壁を横に進めるのです。それが口コミで伝わって、楽しく、爽快感があるのに、飽きずにいいトレーニングができると女性たちの参加が増えました。もちろん、ファミリーで来る方もいます。お子さんだって、楽しくボルダリングができるんですよ」

レンタルシューズの棚には17cm、18cmのクライミングシューズもあった。グループのなかでも「ロッキー印西牧の原店」はとくにキッズ向けクライミングスペースが豊富だ。

登山家だけでなくフィットネスの一環として、さらにキッズたちの心身の成長のためにボルダリングは活用されている。

同じ色のホールドをめざしていく


色とりどりのホールドが密集して取り付けられた人工壁


ジムのいちばん奥の壁。まるで天井。制覇できるのはスパイダーマン?
人工壁には色とりどりのホールドが取り付けられている。

黄色、ピンク、茶色、赤、オレンジ、緑、黒…。その色数は約9色。

壁に貼られたボードによって、色の秘密がわかった。

初心者は黄色のホールドをたどっていけば、比較的楽に移動できる。その次の段階ならピンク。慣れてくれば茶色、赤と進み、最上級者は黒いホールドをめざす。

「110度の壁」たった一面でも、そこには約40本のルートが隠されているのだ。

なるほど、これなら限りあるスペースに設けられた人工壁でも飽きるわけがない。ボルダリングの魅力とはここにある。

どんな人でもレベルに応じて、人工壁に挑戦できるのだ。色ごとにルートは明確に分かれているので、それを成功させることによって、自分のレベルも明確にわかる。

「ついにオレンジをクリアした」
「私はまだピンク…」

こんな会話が仲間同士で交わされているのだろう。

ロッキーグループは品川、千葉県船橋、印西牧の原の3カ所で展開している。また、今年の4月に発足した「日本クライミングジム連盟」に所属しているジムは首都圏(東京、千葉、神奈川、埼玉、群馬)や静岡、愛知、京都、大阪、奈良などで展開している。

「とくかく楽しいんですよ。楽しかったという声を何度も聞いています。値段も高くないし、まずはジムに来て挑戦してみてください。それに、続けていればシェープアップ効果も望めます」と、田村さん。

天候に左右されずにできるインドア・スポーツ、ボルダリング。ぜひ、体験してみてほしい。

【ロッキーボルダリングクラブ品川】
http://www.f-rocky.jp/shinagawa/

【日本クライミングジム連盟】
http://www.jcga.co/
< PROFILE >
木場 新
休日評論家。主な出版物に『温泉遺産』、『パックツアーをVIP旅行に変える78の秘訣』などがある。ウェブサイト「YOMIURI ONLINE」に「いいもんだ田舎暮らし」を連載
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