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  3. 連載20回 朝陽と夕陽をより美しく写すコツ
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朝陽の写真を使った年賀状がたくさん届きませんでしたか? 朝陽と夕陽の写真は風景写真のなかでも特別なものです。今回は朝陽と夕陽を今まで以上に美しく写すプロのワザを伝授します!

冬の写真を上手く撮るコツとして、前回は「逆光」を意識して撮ろうというお話をさせてもらいました。
本格的な冬になって逆光が生きる場面も多くなり、皆さんも逆光を意識できるようになったのではないでしょうか。その「逆光」写真の典型的なモノが朝陽・夕陽の写真という話も前回少し書きました。エッ?と思うかもしれませんが、太陽を画面の中に入れて撮影する「超ド逆光写真」が今回の狙いです。
「どうしても朝陽や夕陽を上手く撮れない」といった経験をお持ちの方も少なくないでしょう。その原因の多くは、前景とする被写体にあります。具体的な例を見ながら解説していきましょう。


長野県八千穂高原の途中にあるカラマツ林です。夕陽と呼ぶには少し時間が早かったのですが、だいぶ日も傾き、これ以上待っていると太陽が沈んでしまうと思いシャッターを切りました。この写真で注目していただきたいのは、手前側の被写体がシルエットになっていることです。

写真A

写真Aでわかるように、シルエットになる部分は黒く潰れます。そのために、どんなに夕陽が美しくても前景が真っ黒な塊にしか写らず、全体的には真っ暗でよくわからない写真になってしまうことが多々あります。写真Bはその失敗例です。

写真B

写真Bの経験から「手前側の被写体に露出を合わせればいい」という考え方もあります。しかし、暗い部分に露出を合わせてしまうと朝陽は白く飛んでしまい、どこに行ったのかわからなくなってしまう場合もあります。

写真C

朝陽・夕陽写真で大切なのは、前景モチーフが際立つような場所を探すことにあります。それでは、いくつか具体例で見ていきましょう。

写真D・Eは同じ日に愛知県の茶臼山高原で撮影した朝陽です。写真Dは木のシルエットが塊になっているのに対し、写真Eでは見事に空に抜け、木のフォルムが美しく浮かび上がっています。このように、前景モチーフとして、形の美しいシルエットを選ぶことが朝陽・夕陽写真を撮るポイントのひとつです。

写真D

写真E

JR大垣駅で乗り換えのタイミングで撮影した列車のカットです。ホームの柱の影がホーム上に印象的に落ちていて、雰囲気のある写真になってくれました。
このようにシルエットを入れるなら、「影の形の美しさ」をしっかり念頭に置きながら撮影してほしいと思います。シルエットを塊にしないというのもポイントです。

写真F

前景とするモチーフはシルエットに限りません。その代表的な例が盆地などでよく発生する朝霧です。朝霧は白いため、いくら逆光で撮影してもシルエットになりません。
遠くまで見渡せる山並みに朝霧(雲海)がかかると、極上の風景を見せてくれます。全体的にフラットだった印象も(写真G)、いつの間にか朝霧が大きくなって奥行き感がある、立体的な印象へと変化(写真H)しています。また、以前お話した邪魔なもの(送電線)を隠すのにも朝霧が一役買っています。

写真G

写真H

これまでに述べてきたもの以外にも水面(湖、川、湖)なども前景モチーフとして朝陽・夕陽の共演者になってくれます。
水面に日があたると、強烈に反射して写真全体を引き立たせて見せてくれます。
この写真のように波を狙うのであれば、波頭に波飛沫が上がった瞬間がベストです。ただし、シャッターを切るのが早すぎると、せり上がる波頭の部分が影になってしまい、あまり美しくありません。タイミングも大事なのです。

美しい前景モチーフを探して、より美しい朝陽・夕陽写真を狙ってみてください。

写真I
< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘンステーション」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。



太陽がゆっくりと傾いていき、やがて空がオレンジ色に染まっていく…。
「日本の夕陽百選」は「日本列島夕陽と朝陽の郷づくり協会」が美しい夕陽を全国から選定したものです。

さらに、観光地の活性化に生かそうと選考委員会が全国200カ所の名所から第1次~第4次選考を経て、68カ所が「夕陽百選」として選ばれています。

まずはホームページを覗いてみてください。
北海道から九州までの選ばれた場所が掲載されています。
また、それぞれの地域をクリックすると、美しい夕陽写真が掲載されています。

越カメラマンが教えてくれたコツを活かして、ぜひ夕陽百選に選ばれた夕景を撮影しに出かけましょう。
写真は筆者が熊本県の天草で撮影した夕陽です。

●夕陽百選
http://www.area-best.com/yuhi/yuhi100.htm

http://www.aoyamakimono.com/enjoy/photo.html

お正月や成人の日に、七五三で撮影した着物写真。
ぜひ、ほかの人にも見てほしい美しい着物姿。
そんな写真を応募してみましょう。
第2回目となる今回も前回好評だった「着物と笑顔」がテーマです。
着物を着る日はたいていが楽しい“晴れ”の日。きっと笑顔がいっぱいのはず。そんな1枚を!
(写真はコンテスト募集のホームページより)

応募締切:2013年3月31日(日)

最優秀作品賞=現金3万円(1名)
青山賞=菱屋 草履「カレンブロッソ」(3名)
入選=京都北山マールブランシュ「茶の菓」(10名)
笑顔賞=よーじや「まゆごもりはんどくりーむ」(10名)ほか
編集部が取材で出かけて撮影したたくさんの写真の中から、壁紙向きの写真をプレゼントします。お気に召されたら、壁紙などにお使いください。



マルセイユはフランスの南にある港町。繁華街のすぐ目の前に広がるヨットハーバーがとても印象的な海の香り漂うところです。
ヨットハーバーのまわりにはおみやげ店や生ガキなどの海の幸を食べさせるカフェが軒を連ねています。
思わず写真を撮りたくなる雰囲気がある街並みでした。
ヨットハーバーからマルセイユのシンボルともいえる丘の上のノートル・ダム・ド・ラ・ガルド寺院を見る
巨大なヨットハーバーのまわりにはカフェやおみやげ店がたくさん。絵葉書もとてもきれいです
ヨットハーバーから1ブロック入ればブランドショップが並び、小さな路地には素敵なビストロがありました
ガルド寺院は観光客に人気。丘の上まではバスやタクシー、観光用トラムで行きます
< 著者PROFILE >
構成と写真
篠遠行彦
東京都生まれ。雑誌編集長などを経てカメラ&ライターになる。かつてはパキスタンの日本総領事館に勤めていたという異色の経歴をもつ。
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