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“小さい頃の川遊び体験は、一生の財産になる”。少々大げさかもしれないが、川に親しんでいくことは、きっと生涯を通じて役立つはず。調べてみると、日本各地に川を舞台にした体験教室がたくさんありました。

前回の連載で釣りをしないことと、小さい頃の夏休みは祖父が建てた蓼科の山小屋で過ごしていたことを書いた。
釣りをしないといって、“川遊び”までしなかったわけではない。
蓼科の家は白樺を含む高原の雑木林の傾斜地の中腹にあった。その斜面を下まで降りれば、川幅が3メートルほどの谷川が流れていた。
午前中に宿題を済ませたぼくたち兄弟は、谷川にしょっちゅう遊びに行った。
川石を動かして、細い水路を作ったり、その先を塞き止めて小さなダムを作ったり…。
川にはさまざまな生物がいた。
小さな魚、トンボの幼虫のヤゴを見つけるのが楽しかった。石の裏に得体のしれないミミズのお化けみたいな生物がいて驚いた経験も少なくない。
川は友達だった。
そして、幼いぼくたちに川はさまざまなことを教えてくれた。
たとえば、雨上がりに行けば川の水は増えており、しかも泥が混じって濁る。さらに、流れが速くなって、いつもなら入れる場所が“危険”な箇所になる。
こんなとき、川の機嫌は悪く、少年たちが遊ぶのを拒む。
そして、どれくらいの時間が経てば、再び親しい川に戻るのかも自然に学んだ。
葉っぱや小枝を流せば、流れの速い場所と、渦巻く場所、流れが緩やかな場所がわかる。そうなる理由である地形の差が理解できる。
小さな谷川で学んだたくさんのことは、初めての川に行ったときも経験的知識として役立った。

今から10年以上前になるが、ぼくはアウトドア雑誌の編集長をしていた。
その夏に、川の中州でBBQをしていた人たちが、雨とダムの放流による増水によって流されるという事故が起きた。
そのときにテレビ、ラジオからコメントを求められた。
識者のコメントには、「アウトドアは危険。川の中州で遊ぶなんてもってのほか」というものもあった。
ぼくはそうは思わなかった。大事なのはリーダーとなる人の知識の有無であるといった類のコメントを出した。
川は自然が与えてくれた素敵な友達なのである。
しかし、どんな日でも親しく接してくれるような友達ではない。
雪融けの時期は水が増す。もちろん、雨の日、ダムの放流のときも同様だ。水が増えれば水没する場所がある。水が増せば流れが速まる場所もある。
晴れ続きのときだって知識がないと危険な目にあう。
地形や川のうねりによって、流れの速い場所と緩やかな場所があるからだ。さらに、それにともなって水深も大きく変化する。
川の知識のあるリーダーがいれば、その人の指示でBBQの場所などを設置すれば、急な雨などでも対処できるだろう。川に入って遊べる場所、遊べない場所も判断できるはずだ。
雰囲気だけで遊び場を決めてしまうようなリーダーだったら、増水の判断もできなければ、危険を察知できない。
そして、過去の悲しい事故へと繋がってしまう可能性がある。

川での経験と、そこで自然に身に付けた知識はとても貴重なものになった。
子どものときの川体験は、生涯の財産となったのである。
あんな体験、現在でもできないものかとネット検索していたら、数多くの川体験教室を見つけた。

今回はそんな体験教室を紹介したい。


せせらぎ緑地公園・阿賀川 川の達人の会
http://www.are.gr.jp/

【福島県会津美里町】
「川は友達、川は不思議な世界、川と遊ぼう、川に学ぼう」をコンセプトに活動。カヌー体験、水生生物採取、ストーンペインティングなどのさまざまな体験プログラムを用意。

栃木カヤックセンター・鬼怒川ラフティングセンター
http://www.tkcnet.jp/

【栃木県日光市】
元日本代表のフリースタイルカヤック選手がメインインストラクターとガイドを務める。カヌーやラフティングを通じて川の流れや川の性質を学べ、初めての人でも参加可能だ。
川と水辺を楽しむプロジェクト
http://jp.a-rr.net/jp/links/domestic/105.html
(日本河川・流域再生ネットワーク)

【東京都練馬区】
練馬区教育委員会の指導のもと、都会の川での“遊び”を推奨。探索ではメダカを発見。モツゴなどの小魚がたくさん生息しているのもわかった。活動は不定期のようだ。
鶴見川流域ネットワーキング
http://www.tr-net.gr.jp/

【神奈川県横浜市】
川や池の生きもの調べや、水辺のお世話、川や池の畔の傾斜地のお世話など、地域の水辺の観察やお世話を行っている。身近な水に触れることで、さまざまな知識を身に付ける。
ノーム自然環境教育事務所
http://www14.plala.or.jp/wildlife/index.html

【福井県勝山市】
福井県の大自然や里山を舞台に、年間を通じてさまざまな体験プログラムを実施。夏季はカヌーをはじめ、川と親しむプログラムも実施される。川の息吹を取り込もう!
エヌエスネット 飛騨美濃自然学校
http://www.ns-net.npo-jp.net/

【岐阜県岐阜市】
「金華山・長良川の生き物と遊ぼう」では、ボートでの川下り、魚とり、野生動物の観察などが行われる。そのほかにも親子で参加できるネイチャープログラムが数多い。
TERRA子野アドベンチャー
http://www.terrakoyaadventure.com/

【熊本県南阿蘇郡】
自然あふれる阿蘇でアウトドア全般のツアーを企画。川でのキャニオニング、カヌーやカヤックをはじめ、乗馬やダイビングなども実施している。夏休みにぜひ!
※ご紹介したところは不定期活動のところもあります。また、写真は関連ホームページよりお借りしました。

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< PROFILE >
木場 新
休日評論家。主な出版物に共著の『温泉遺産の旅 奇跡の湯 ぶくぶく自噴泉めぐり』、一部執筆&プロデュースの『温泉遺産』、『パックツアーをVIP旅行に変える78の秘訣』などがある。ウェブサイト「YOMIURI ONLINE」に「いいもんだ田舎暮らし」の連載ほか。
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