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越カメラマンが教えてくれるのは「古い街並みをレトロ感覚で撮影するコツ」です。これを覚えれば、ますますフォトコンテストへの投稿意欲が増すのでは!? そのほかにおすすめ写真コンテストのご紹介など、もりだくさんでお届けします。


日本の各所には、その町が発展し、隆盛を極めた当時のままの古い街並みを残している場所がいくつもあります。
そのような場所で写真を撮る際に「どうやって撮影すればいいのか?」と言う質問をよく耳にします。
今回は古い街並みを撮影する際のポイントについて解説したいと思います。


栃木県栃木市の街並み写真です。
栃木市は江戸時代から明治時代にかけて、市街地中心を流れる巴波(うずま)川を中心とした水運を利用し、“商家の町”として栄えました。その川沿いには現在でも当時の蔵が建ち並ぶ景観が残っています。
そして、栃木市の観光パンフレットにはこのような写真が載っています。そのために誰しもがこのような写真を撮って満足してしまうのです。
しかし、撮影をせっかく楽しむのなら、もう一工夫加えたい。そこで、プロも実践する古い街並みの狙い方を紹介したいと思います。


写真A

写真B/Cは上の写真と同じ栃木市の旧街道(例幣使街道)を撮影したカットです。
古い建物を残す旧街道の街並みですが、時代とともに新しい建物や近代的な電線などが張り巡らされています。
写真Bのように漠然と撮ったのでは、当然のことながら雑然とした印象になってしまいます。
そこで、街の中でもできるだけ古い街並みを残す部分や、雰囲気のある場所を探し、その部分だけを切り取ってあげるのが大切になってきます(写真C)。
その時代の住人の目には、どんな風に街が写っていたのか。そう考えるとよいかもしれません。


写真B

写真C

石川県金沢市のひがし茶屋町での1コマです。
「路地」はそれだけで人を引き寄せる力を持っていますが、それだけに画面から与えられる印象はかなり強いモノになります。
写真Dにはこれといったポイントがなく、ただの路地になってしまっています。
そこで、路地の突き当たり正面に、戦後の路地裏を象徴するような看板がある場所を見つけて撮影したものが写真Eです。


写真D

写真E

写真F/Gは、再び栃木市の蔵の街で撮影したカットです。
現在は建物の周囲にどうしても近代的なものが置かれたりして、せっかくの昔っぽい雰囲気が台無しになるケースがあります。
写真Fは建物前のコンクリート製の車止めのようなもの、画面正面右の赤い看板のようなものがあって昔の雰囲気を台無しにしています。
そこで、そうした部分は極力省き、昔ながらの雰囲気の部分だけを切り取って写真にしたのが写真Gになります。


写真F

写真G

長野県東御市にある海野宿で撮影したカットです。旧中山道の宿場町として栄えた海野宿には昔の旅籠屋作りの建物などが残り往時を偲ばせます。
しかし、ここにもご多分にもれず近代的な要素があり(生活のうえでは仕方ないのですが…)、カメラマン目線であれば興ざめとなる部分もあるのが事実です(写真H)。ここでは、手前側の雨樋が目立ってしまっています。こうしたものは極力画面から省くようにします。
角度を変えて別な看板を撮影した写真Iには、不自然とならないよう道路脇に植えられた桜を入れて立体感を引き出してみました。


写真H

写真I

保存された街並みがなくても、雰囲気さえあれば撮影は楽しめます。最後はそんな1枚を紹介します。
昭和30年代後半の住民になりきって、映画『ALWAYS 三丁目の夕日』にでも出てきそうな下町の路地裏の風景をイメージして撮影してみました。
場所は長野県にある温泉街の路地裏。こんな風景が昔あったのだろうとイメージしつつ、夕日に照らされた雰囲気を出そうとWB(ホワイトバランス)を調整して作品にしてみました。
まるで、映画のセットに出てきそうな雰囲気がありませんか?


写真J



平成の時代にいながら昔の時代へタイムスリップ! そんな夢のような感覚で撮影を楽しんでみてください。

< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘンステーション」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。

今回の連載で越カメラマンはレトロな街並みの撮影方法を教えてくれました。
しかも、懐かしい場所が残る4つの街並みを歩き、そこで撮影した写真を掲載してくれています。
今回おすすめする撮影スポットは、まさに越カメラマンが歩いた街並み。そこにでかけて、“昔の人の目線”で傑作をものにしましょう!

●栃木県栃木市
江戸時代より舟運で栄えた問屋町で、北関東の商都と呼ばれました。日光に至る例幣使街道が通るために、東照宮を参拝する諸大名も通り、隆盛を極めました。
[栃木市観光協会]http://www.kuranomachi.jp/

●石川県金沢市
3月14日の北陸新幹線に伴い、賑わいを増している金沢市。前田藩100万石の歴史ある街には現在でも「ひがし」「にし」「主計町」の三つの風情ある茶屋街が残ります。
[いいね金沢]http://www4.city.kanazawa.lg.jp/kankou/index.html

●長野県東御市海野宿
江戸時代の旅籠屋造り、茅葺き、明治以降の蚕室造りの建物が混ざり、時代の移り代わりが印象的。シンボルともいえる樹齢700年のケヤキも撮影ポイントです。
[東御市観光協会]http://www.tomikan.jp/index.html

●長野県下高井郡渋温泉
すべての温泉と外湯が100%源泉かけ流し、外湯めぐりも人気なのが長野県の渋温泉です。その一角にお湯かけ道祖神があります。温泉旅情を撮影してください。
[渋温泉]http://www.shibuonsen.net/index.php


http://sanchoku55.com/photo-contest/

地域の活性化をテーマに地方の産直を盛り上げよう!と企画された写真コンテストです。写真を見た人が、「産直に行ってみよう」と思うような写真を応募しています。
全国にある産直(農・水産物直販所)やそれに関連するイベント、食べ物、景色などをテーマに、①撮る人が楽しい、おいしい、美しいと感じた写真、②見た人が行きたい、食べたい、見たいと思える写真の、①か②を満たす写真を応募してください。

募集締切:2015年4月16日(木)
賞  品:グランプリ(1作品):2万円分商品券、優秀賞(2作品):5000円分商品券、都道府県別イチオシ賞


「おでかけマガジン」より、みなさまへ読者プレゼント実施中!

編集部が取材ででかけて撮影したたくさんの写真の中から、壁紙向きの写真をプレゼントします。お気に召されたら、壁紙などにお使いください。



寒い時期に花をつける花があり、そんな木が筆者の住む庭に植えてあります。小さかった蕾もやっと大きくなりました。普通に撮影してもつまらないので、最先端のカメラのフィルター機能を使ってみました。同じ被写体でも、こんなに変わるものなのですね。

< 著者PROFILE >
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。
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