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同じ風景でも「アングル」、「ポジション」、「焦点距離」、「絞り」、「タイミング」を変えれば、別の写真の世界が広がります。越カメラマンが5つのコツを教えてくれます。写真コンテスト情報や壁紙プレゼントもお見逃しなく。

ドライブ先で見つけるキレイな花やちょっとお洒落な町の風景。写真に撮ってみたら今ひとつ……といったことが多々あります。
その原因は“人間の目は都合よくできている”からです。周りの不要なものは全く目に入らず、いいところだけを見てしまっているのです。
しかし、写真はそうはいきません。カメラはとても正直、美しかろうと美しくなかろうとすべてを克明に描写してしまいます。
周囲の情景については、これまでもこのコーナーで何度かお話しさせてもらっていますが、今回はその「周囲の情景」を変える方法を整理してみたいと思います。

ピンクのバラを狙いました。写真Aは立ったまま水平にカメラを構えました。写真Bはカメラを下から上に向けるように構えました。
この2枚の写真で変わったのは背景の描写です。カメラのアングル(カメラを構える向き)を変えると背景が変わります。
写真Aは主役の花と同じ色のバラが背景に来てしまっているため、ごちゃごちゃした印象です。それに対し写真Bは、木漏れ日が丸いボケになって主役のバラを引き立たせています。
このように、背景の描写や周囲の情景が変わるだけで、同じ被写体でも雰囲気は全く異なります。

写真A

写真B

神戸に出かけたときに街で見かけた洋風な電話ボックス。「可愛らしいな」と撮ってはみたものの、なんだかつまらない(写真C)。
原因は電話ボックスしか見えていないからでした。
この電話ボックスの周囲はどうなっているのか? よく観察してみると、近くに西洋風の建築物がちらりと見えていました。そこが背景となるようにカメラを構える場所を変えて撮影したのが写真Dです。
背景が入ったことで奥行きが生まれ、背景の西洋風の建物がアクセントとなり、ヨーロッパの古い街を歩いているかのような雰囲気になりました。
電話ボックスも可愛らしく見えてきます。

写真C

写真D

アングル、ポジション以外にも周囲の情景を変えられるものがあります。それがズーム機能(レンズの焦点距離)です。
広角で撮るのか、望遠で撮るのか。それによって背景として写る範囲が変わってきます。
写真Eは50mmのレンズで、写真Fは180mmのレンズで撮影しています。
花の大きさがほぼ同じになるように、カメラを構える場所も変えています。
広角にすればするほど背景として写る範囲は広くなり、望遠にすればするほど背景として写る範囲は狭くなります。
この場合はどちらがよいでしょう。個人的な好みもありますが、周囲が華やいだ雰囲気になり、背景にほかの花が入ったことでより立体的に見える写真Eのほうが雰囲気のある仕上りだと思います。

写真E

写真F

写しているものは同じでも、背景の見せ方を変えることができます。それが「絞り」です。
絞りとは、レンズに入ってくる光の量を調整する穴です。
絞りの値を小さくする(穴の大きさを大きくする)と背景はぼやけます。
逆に絞りの値を小さくする(穴の大きさを小さくすると)と背景はぼやけずハッキリ見えてきます。
「絞りF3.2」で撮影した写真Gは背景が完全にぼけていますが、写真Hは背景がややシャープになり、背景の様子が見て取れます。
どちらがよいかは状況によって変わってきますが、周囲のバラ園の雰囲気が見える写真Hのほうが印象的に見えます。
なお、元々レンズが小さく絞りの穴も小さなコンパクトカメラやスマートフォンのカメラなどは、絞りを変えても背景のぼやけ方はあまり変わりません。

写真G

写真H

周囲の情景や背景を変える最後の方法が、シャッターを切るタイミングを変えることです。同じ被写体でも時間を変えれば、光の状態や天候などが変わってきます。
写真I写真Jはその例で、山から霧が下りてきたタイミングを狙ったものですが、主役の木の見え方は大きく違っています。自然の雰囲気が感じられ雄大に見える写真I、対して主役の木がクッキリと浮かび上がっている写真J
どちらがよいかは狙い(撮影意図)次第ですが、シャッターを切るタイミングよって雰囲気が変わることはお分かりいただけたと思います。

写真I

写真J

今回紹介した「アングル」、「ポジション」、「焦点距離」、「絞り」、「タイミング」、この5つを変えてあげるだけで、同じものを撮っていても写真の雰囲気は異なります。
これが写真撮影の楽しみともいえるでしょう。
ただ見ているだけでは通り過ぎてしまう場所でも(写真K)、視点を変えて見てあげるだけでキレイな風景が見えてきます(写真L)。
見たままを撮るのではなく、少しだけ視点を変えて素敵な風景を見つけてみてください。

写真K

写真L
< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘンステーション」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。


「観光いばらき」ホームページより

越カメラマンの解説の写真例に神戸で撮影した古い電話ボックスが出てきました。レトロな雰囲気の建物や街角は、被写体として最適です。
そこで、もっと古い時代にタイムスリップして、旅籠や火の見櫓などの時代劇に出てくる風景を撮影してみませんか。
時代劇の舞台であり、映画のロケで活用されているといえば、京都の「東映太秦映画村」などがありますが、実は時代劇のテーマパークは各地に点在しています。
そのひとつは「ワープステーション江戸」で、茨城のつくばみらい市(みらい市に過去のテーマパークがあるのもおもしろいですね)にあります。400年の時を越えて存在する江戸城大手門や武家屋敷、長屋門、日本橋など…。近年、茨城県は映画やテレビ番組の撮影協力に力を入れていますが、ワープステーション江戸でも多くの作品が撮影されています。
ぜひ、江戸時代の風情を写真にしてください。

●ワープステーション江戸
http://www.ibarakiguide.jp/db-kanko/warpstation_edo.html

●時代劇のテーマパーク
http://plaza.harmonix.ne.jp/~ma0011/onsenyado/park/jidai.htm

テーマパーク・遊園地とリンクしたサイト。全国のさまざまなテーマパークが検索できる便利なサイトです。
http://www.torroad-council.net/information/20150126.html

1868年に神戸港が開港して以来、神戸は輸入品が持ち込まれ「ハイカラ文化発祥の地」となりました。
外国人居留地と北野界隈を結ぶ生活道路でもあるトアロードは、山と海を結ぶ1.2kmの坂道です。現在でもモダンな雰囲気にあふれ、観光客の人気スポットでもあります。
写真コンテストの作品テーマは「花と緑が魅せるまちなみ」。トアロードの雰囲気を感じるままに写真で表現してください。

募集締切 :
2016年5月31日(火)
審  査 :
公開審査を予定。
賞  品 :
最優秀賞1点/表彰状、賞金5万円      
優秀賞2点以内/表彰状。賞金2万円
入賞3点以内/表彰状、記念品

「おでかけマガジン」より、みなさまへ読者プレゼント実施中!
編集部が取材ででかけて撮影したたくさんの写真の中から、壁紙向きの写真をプレゼントします。お気に召されたら、壁紙などにお使いください。



中国の西安は長安と呼ばれたシルクロードの東側の起点です。さまざまな文化が混じり合って発展してきました。この街で見た、さまざまな「並ぶもの」の写真です。
< 著者PROFILE >
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。
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