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「小さなものが大きく見える!」は望遠レンズの利点です。その機能をより有効に活用して、素敵な1枚の写真をものにしてみませんか? 望遠レンズ活用法について越カメラマンが解説します。恒例の写真コンテスト情報、壁紙プレゼントもお楽しみに!

望遠レンズというと、「遠くのものを大きくアップにして撮りたいときに使う」というイメージの方も多いと思います。実はそれだけではありません。比較的近くにある被写体であっても望遠レンズを使うことで、見た目とは異なる雰囲気のある写真を撮ることができるのです。 今回は花を題材にして、望遠レンズの活用方法を解説したいと思います。

早春の房総半島をドライブしているときに見つけた菜の花畑です。
標準レンズと呼ばれる人間の視野に近い画角のレンズで撮影すれば、その結果は見たままの通り(写真A)。周辺の道路や民家も“見たまま”に写り込んでいます。
こうした場面で「花を雰囲気よく見せたい」と思ったら、望遠レンズが役立ちます(写真B)。なぜなら自分の見せたいポイントを、簡単に絞り込むことができるからです。
今回は望遠レンズの特徴、メリット、注意点を整理してみようと思います。
ちなみに雰囲気を引き出す方法として広角レンズを使う場合もあります(写真C)。ただし、広角レンズを使う場合は少しコツが必要で、周囲に余計なものが写り込まないよう注意を払ったり、被写体に近づくなどしないと、かえって散漫な写真になってしまいます。
広角レンズの使い方はいずれこのコーナーで紹介します!

写真A

写真B

写真C

望遠レンズの特徴の一つとして、写真Eのように前後の距離感を縮め、ボリュームのあるように見せられることがあります。これを俗に「圧縮効果」と呼びます。
一方、広角レンズで撮影した写真Dは、手前のスイセンの花だけが大きく誇張され、背後にあるモモの花が小さくなってしまい、ほとんど分かりません。それぞれの花の大きさのバランスもよくありません。
望遠レンズを用いれば、広角レンズと比べ、誰もが簡単に雰囲気のある写真が撮れるのです。

写真D

写真E

望遠レンズを使うメリットは大きく2つあります。その一つが、前後関係を生み出しやすいことです。
いわゆる標準レンズでは、見たままを写そうとしてしまうため、比較的被写体を近くで撮影している場合がほとんどです。
周囲に違うキレイな花があったりすると、それも一緒に画面に取り込もうとして“広角レンズ”を使ってしまうケースもあります(写真F)。ここが落とし穴で、横並びに写そうとすればするほどポイントのない散漫な写真になってしまいます。
一方、望遠レンズを使うと、必然的に被写体から少し離れることになり、そのことで前後にほかの被写体を取り込むことができます。そして、望遠レンズのもう一つの特徴として“ぼけやすい”ために、ほかの被写体を前ボケや後ボケにできます。この効果によって、雰囲気のある写真が撮れるのです(写真G)。

写真F

写真G

望遠レンズを使うもう一つのメリットに、「邪魔なものを目立たなくできる」ということが上げられます。
邪魔だと思うものを画面から避けて、ポイントになる花だけをピックアップしたり、仮に写り込んだとしてもぼかすことで、目立たなくできるのです(写真I)。
先にも触れたように、標準レンズや広角レンズで撮影する場合は、周りに邪魔なものがないかよく確認をしないと、散漫な写真になる可能性があります(写真H)。

写真H

写真I

望遠レンズの注意点としては、カメラを構える位置を少し変えるだけで、前景や背景となるものが変わることです。背景をどこにするかで写真の印象は大きく変わります。
写真J写真Kは同じ花を角度を変えて撮影したものです。それのわずかな違いによって、背景に写った花の色や、手前側にほかの花が重なるかどうかで写真が変化しています。
自分の表現意図や主役となる花がどうしたら引き立つのか、カメラを構える際に吟味するようにしましょう。

写真J

写真K

望遠レンズを使った場合に、前後に来る被写体がどのくらいぼけるのかを絞りでコントロールする必要があります。
写真L写真Mは背景にした花のボケ具合をそれぞれ絞りF2.8とF22で撮影しています。写真N写真Оは前後のボケる範囲をそれぞれF5とF16で比較した写真です。
花を目立たせる場合、背景が見えてしまうとごちゃごちゃした印象となったり、逆にぼやけすぎてしまって花畑の印象が弱まったりします。
どちらが良い、悪いというわけではありませんが、実際に撮影する場面に応じて適切な絞りを設定するように心がけましょう。

写真L

写真M

写真N

写真O

上記で見てきたように、望遠レンズの特徴などをしっかりと押さえておけば、比較的簡単に“見た目にはない写真”を描き出せます。
今回はメインの被写体を花で撮りましたが、花以外を撮る場合も同じようなことが言えます。
ぜひ皆さんも望遠レンズを通して見えてくる世界を探し出してみてください。

写真P
< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘン」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。


●トレたび
http://www.toretabi.jp/travel/flowergarden_201304/01.html

「トレたび」は交通新聞社が運営するウェブサイトです。
交通新聞社は『旅の手帖』『散歩の達人』などの雑誌を出版していますが、これほどインターネットが盛んになる前は、旅の達人たちが旅の予定を立てるときに必ず参考にした『JR時刻表』を手掛けている出版社でもあります。
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また、このコンテンツがいいのは、「桜情報」「菜の花情報」といった春だけの名所ではなく、さまざまな名所を取り上げている点です。
“主人公”となる花も、カタクリ、ボタン、ネモフィラ、ユリ、シャクナゲなどとさまざま。望遠レンズと広角レンズを使い分けて撮影すれば、きっと傑作をものにできるでしょう。

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寒さが身に染みる時期に、鹿児島に行ってきました。今年のNHK大河ドラマの主人公、西郷隆盛・せごどんが育った土地です。寒い日でしたが、太陽が当たる場所ではみかんが実を結び、竹林が輝いていました。
< 著者PROFILE >
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。
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