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カメラ任せから一歩進んで、“絞り”設定の工夫で極上の“玉ボケ写真”に挑戦してみませんか? プロの技を越カメラマンがアドバイスします。フォトコンテスト情報、壁紙プレゼントもお見逃しなく!

バックナンバーの第80回で、絞りの設定値を変えると、背景の様子が変わり、雰囲気の異なる写真になることを解説しました。今回はその応用として、光をまるくぼかす方法(玉ボケ)について解説したいと思います。

写真Aはバラ園のバラを木漏れ日を背景に望遠レンズで狙ったものです。木漏れ日をぼかすことで、背景がキラキラと輝いた美しい花写真にすることができるのですが、そのときに“絞り”はいくつに設定するのがよいのでしょうか。
ここでは、このレンズの開放値であるF2.8から段階的に撮影を行い、背景のボケが美しい丸になるF5.6を選択してみました。実はこの絞り値の選択こそが、背景の光を美しくするかどうかの鍵を握っています。

写真A

花を撮影する場合、「背景をぼかして」ということがしばしばいわれますが、背景を大きくぼかしたからといってキレイになるとは限りません。逆に“絞り”設定を絞り過ぎてもよい結果になりません。写真B写真Cはその例です。
写真Bは絞りF3.2で撮影しましたが、光のボケが大きく重なりあったことで、ざわざわとした目障りな印象になってしまいました。
また、写真Cのように同じフレーミングで絞りをF22に絞って撮影すると、背景のディテールがハッキリと見えてしまい、これまた煩雑な印象です。
背景の光を美しく見せるには、ケースバイケースでベストな絞り値を選択することが重要になってくるのです。

写真B

写真C

光の雰囲気を美しく見せるには、絞り値はいくつにすればよいのでしょうか? その答えは一定ではありません。
光り輝く物を背景にした場合、被写体までの距離、メインの被写体と背景との距離、使用するレンズの焦点距離によって、その答えは大きく変わります。
今回は2つのケースで絞りはいくつがベストなのかを実験撮影してみました。



写真Dは105mm/F2.8のマクロレンズで、カメラの近くにある花(撮影距離約50cm)を狙っています。
F2.8では光の玉が大きくぼけてうっすらとなってしまい、周辺のぼけた緑と同化しています。“絞り”を段階的に絞っていくと、F8くらいからまるい形がハッキリとしだし、F16くらいまでは適度な大きさでまるく写っています。
ただし、F16以上に絞ってしまうと背景のディテールがハッキリしてしまい、ごちゃごちゃな印象になってしまいました。このケースではF11がベストの選択といえるでしょう。

写真D


写真Eは100~400mm/F4.5-5.6の望遠ズームの400mm側で15mくらい先にある草の穂を夕日で輝く水面を背景に狙ってみました。
開放のF5.6では、光の反射のボケが大きくなってしまい、どこが輪郭なのかわからず、キラメキも感じられません。
逆にF22やF32まで絞ってしまうと、光のボケは小さくなり、ディテールもハッキリしてしまって奥行きが感じられません。
こちらもF11がまるく煌めく光とぼけた背景に浮かび上がる穂の様子がキレイに感じられます。

写真E

写真F写真Gは、玉ボケを生かして撮影した具体的な例です。
写真Fは輝く芦原を狙ったもので、背景の芦原が輝く様子をF5.6でまるい玉ボケとして描き出してみました。
玉ボケは背景のボケに限った話ではなく、前ボケにも応用できます。写真Gはその例で、ゆりかもめの駅の手前の駐車場を隠すために入れ込んだ植栽の輝きがまるくなるように、絞りをF5.6にして撮影しました。
いずれの写真も、絞りを段階的に変えながらベストの丸になる絞りをチェックしてから撮影しています。光がまるいボケとなったことで一段とキラメキが感じられ、光の雰囲気が写真からにじみ出すようになったのではないかと思います。

写真F

写真G

美しい玉ボケを表現するには解説したように、適切な絞り値の選択が必要不可欠です。逆に言うと絞りをきちんと設定すれば、煌めいた背景を描くことも簡単にできるのです。
実はただ大きくぼかしてしまうだけなら、パソコン上で加工できますし、最近の携帯(スマートフォン)のアプリなどでも簡単に加工することができます。ですが、美しいまるいボケを作り出すにはワザとテクニックが必要になります。専用のカメラならば、絞りを変えるだけで簡単に玉ボケが表現できますので、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
なお、ボケを演出するには、広角レンズでは大きくぼけないため、望遠レンズで狙う場面をオススメします。
< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘン」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。



●かおり風景100選
https://www.env.go.jp/press/files/jp/2930.html

全国にはさまざまな百選があります。今回も個性的な百選をご紹介します。
「かおり風景100選」は、日本全国の“かおり”に焦点を絞っています。
かおり…いい香りがするところは美しい風景があります。
100選に選ばれたのは、たとえば「北海道 ふらののラベンダー」、「秋田 小坂町明治百年通りのアカシア」、「茨城 偕楽園の梅林」、「栃木 日光霧降高原のニッコウキスゲ」などの自然美から「埼玉 川越の菓子屋横丁」、「京都 伏見の酒蔵」、「大阪 法善寺の線香」などの文化的な景観まで。
そこには越カメラマンがアドバイスしてくれた“玉ボケ写真”が狙える景観がいっぱいあります。ぜひ、傑作を撮影してください。
http://nansun.ja-shizuoka.or.jp/photocontest/index.html

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一般部門。デジタルカメラ、フィルムカメラで撮影した作品を対象としています。
学生部門。学生を対象とした部門です。
スマートフォン部門
●応募形態 :
一般と学生部門は横位置で撮影し、A4か六つ切りサイズで応募。スマートフォンは3MB程度 1280×960ピクセル以上のJPEG形式で応募。
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一般部門 :
組合長賞(1点)3万円+なんすん特産物5000円相当
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学生部門 :
最優秀賞(1点)図書カード5000円分、そのほか優秀賞あり
スマートフォン部門 :
最優秀賞(1点)5000円、そのほか優秀賞あり

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前回に続き、日本の海で撮影した写真です。季節は寒い時期なので、海水浴客の姿は見られず、釣り人だけがビーチにポツンといました。
< 著者PROFILE >
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。
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