支笏湖畔の“湯守”が活躍する温泉【北海道・丸駒温泉】

梅雨がない北海道は初夏から秋にかけてドライブするのに最適です。広い大地にはさまざまな温泉がありますが、絶景の支笏湖畔に極上の湯がありました。まずは、Web温泉ドライブを楽しんでください。

新千歳空港から約50分、札幌からでも約60分のドライブで到着するのが丸駒温泉だ。1時間たらずの森林＆湖畔ドライブで、空港都市や北の大都会とは景観がまったく異なる、極上の温泉地に着くのだから、もしも夏場に北海道への旅を企画しているのなら、ぜひ行程に加えてみたい。

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支笏湖は支笏洞爺国立公園に属す。4万年以上も前に噴火した火山によって形成された支笏カルデラに水が溜まり、カルデラ湖として支笏湖は誕生した。
湖の周囲は約40km。湖の南と東側には舗装道路が整備され、初夏から秋にかけてはボートや観光船が浮かび、多くの観光客を集めている。
もともとが火山によって形成されているだけに、時代を経た現在も温泉が湧く支笏湖温泉には、休暇村や温泉施設があり、賑わいを見せている。

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丸駒温泉は湖畔の１軒宿だ。千歳空港方面からドライブをすれば、国道276号を通って支笏湖温泉に出て、さらに北上を続け、道道730号に入る。鹿やキツネが顔を出す森林の道道を突端まで進めば、そこにスイス・シャレー風の建物が現れる。丸駒温泉だ。

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すぐ前に湖、そして対岸に風不死岳などの山々を眺める抜群のシチュエーション。宿には景観を楽しみながら入浴できる展望風呂が整備されている。
昼間はもちろん、朝焼け時の景観は抜群だ。開放感からいえば、日本でも有数の温泉だろう。

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しかし、丸駒温泉の価値は景観だけではない。
海水に似た「ナトリウム・カルシウム－塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉（旧泉質名含土類・石膏－食塩泉）」は、保温効果が高く、「熱の湯」とも呼ばれる病気の回復期などに適した湯だ。
しかも、その湯は「天然露天風呂」で自噴しているのだ。湯の下の砂の合間からぶくぶくと湯が湧く。
不思議なのは、天然露天風呂の湯と支笏湖がリンクしていることだ。季節によって湯の深さが微妙に変わるのだが、それは支笏湖の水位と同じ。湯船の深さが支笏湖の水面に左右される。
さらに気候の変化などで源泉温度も変わる。そのときに力を出すのが丸駒温泉の“湯守”たちだ。

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訪れた時は、まさに湯守の力が必要な時だった。源泉温度が高くなっていたのだ。
天然露天風呂と支笏湖の間には幅3mほどの水路がある。ここに砂を入れたり、出したりするのが湯守の大事な仕事の一つ。
湯船の温度が高くなったからといって、直接水路の水を入れて湯温を冷やすようなことはしない。
水路の砂の量を湯守たちが増減することで、自噴する温泉の湧出量を変え、湯船の湯温を適温にしている。
これなら、源泉の温泉濃度は薄まらない。来訪者はいつだって純粋な自噴泉をとことん味わえるのだ。
ちなみにこの天然露天風呂は、創業以来姿を変えていない。

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内湯は自噴泉ではない。が、熱い湯は支笏湖の水を利用した“熱交換”によって適温に調整されて湯船に注がれる。ここでも加水なしの純度100％の温泉が味わえるのだ。

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景観が抜群なところに観光客を呼ぼうと思ったら、現在の日本においては温泉も重要な要素になる。
各地の眺望抜群な地には、近年になってボーリングによって掘削された温泉施設がある場合が多い。
しかし、支笏湖の湖畔にあるここは、景観も抜群なら温泉も全国でも貴重なぶくぶく自噴泉。これほどのぜいたくはそう味わえるものではない。
冒頭にも書いたが、梅雨がなく、夏場でも比較的涼しい北海道は、憧れのドライブエリアである。
マイカーをカーフェリーで運ぶ方法もあるし、レンタカーも充実している。北海道ドライブを企画した時に、北海道の西部では訪れたい温泉だ。
北海道ドライブの注意点もある。北海道の道は走りやすい。景観も広大なのでスピード感がマヒする場合もある。でも、飛ばしすぎに注意。北海道ではスピードガンを取り付けたパトカーが、さまざまな場所に待機しているのだ。