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ほんの少しずつですが春が近づいてきて、全国各地から「お花」の便りが届き始めました。越カメラマンからのアドバイスは、お花を上手に撮るためのプロのテクニックです。そのほかにも写真コンテスト情報など盛りだくさんでお届けします。


お花畑や桜並木は全体を撮影するのではなく、花が際立つ部分を見つけ出して撮ってみましょう。
春が近づいてくると、そこかしこから花の便りが届きます。
お花畑は、色鮮やかで見た目にも美しいものですが、写真にしてみると“なんだかつまらない……”という経験をしたことありませんか。観光ポスターで見るような絵柄は撮れても、それ以外どうしてよいのか分からない。今回は、そんなお悩みを解消するお花畑の狙い方を紹介します。


お花畑の写真を撮るときにもっとも陥りやすいのは、たくさんの花を撮ろうとすることです。
同じような色や形をした花をいっぱい撮ろうとしても、なにを撮ろうとしたのか伝わってきません(写真A)。
むしろ、シンプルな背景の中に浮かぶような、ポイントになる花を探して狙ったほうが、ハッキリとした写真になります(写真B)。


写真A

写真B

写真Bのようにシンプルに撮るのでは「せっかくお花畑で撮る意味がない」とおっしゃる方もいるでしょう。そうしたときは、前後を思いっきりボカしてみるのも手です。
写真C/D/Eはその例です。
写真Cのように上から目線で花をいっぱい入れようとしてはもちろんダメ。花を横から見るように望遠で狙うのですが、引き気味に撮影してしまうと、前後のボケが小さいうえにポイントとなる花が際立ちません(写真D)。

狙いはきちんと絞ってその花に近づくように、また前後は思いっきりボカしてみる。そうした、大胆さが不可欠です(写真E)。

写真C

写真D

写真E

次に桜並木を例に狙い方を見てみましょう。
南伊豆の早咲きの桜の並木。並木全体を撮ったのでは、当然誰もが撮るような絵柄になってしまいます(写真F)。
そこで、枝振りがよく、かつ花が引き立つような背景がある場所を見つけ出せば、雰囲気のある写真に仕上がります(写真G)。
大胆に一部分にターゲットを絞り、前後をボカして花を浮かびあがらせるのもひとつの方法です(写真H)。


写真F

写真G

写真H

比較的大きな花が枝のあちらこちらに咲くツバキ類やバラ類。これらの花を撮る場合も同じことがいえるでしょう。
広めに全体を撮ろうとしても、どの花も同じくらいに目立ってしまい、散漫な印象が拭えません(写真I)。
1輪の花にターゲットを絞り、ほかの花はボカすなどして背景に生かすようにしたほうが、印象的な作品に仕上げられます(写真J)。


写真I

写真J

たくさんの花が咲き誇る中で、今回見てきたようなポイントになる花を見つけ、前後をボカした表現をするときに、どんな場所に注目するかを最後に紹介します。
前後をボカしやすく、かつ、ポイントになる花を見つけやすいのは、密集した中にポツンと花が咲いているところです。
ポイントが絞りにくいのは、花が密集していてどれも差がない場所です。
また、花が密集しているど真ん中ではなく、端のほうが割合ポツンと咲く花を見つけやすいと思います。
写真Kもナノハナ畑の端のほうで咲いていた花を、遠くで咲いていた別な花を背景にして狙ったモノです。前後に間があることでボカしやすく、ポイントにしたい花をスッキリ撮影できたと思います。


写真K



ぜひ、今回の狙い方を意識しながら、あなただけの素敵な花畑の写真を撮ってみてください。

< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘンステーション」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。

『MERY』というwebサイトはファッション、メイク・コスメ、ネイルなどの美容情報を幅広く提供している“女性応援サイト”です。
このなかには旅のコンテンツもあり、彼と見たいイルミネーションや、癒される旅をテーマにした観光情報を流しています。
そのなかに『人生で一度は行ってみたい!日本の絶景花畑で癒されよう』のページがあります。
450万本のネモフィラでブルーに丘が染まる「茨城県・みはらしの丘」、富士山を背景にピンクの絨毯が敷かれる「山梨県・富士芝桜まつり」など、お花の名所が紹介されています。
越カメラマンのアドバイスを実践するのにもってこいの場所ばかりです。ぜひ、でかけてみてください。

●『人生で一度は行ってみたい!日本の絶景花畑で癒されよう』
http://mery.jp/13631


2014年外務大臣賞(自由部門)
栗原陽子さん作品

http://www.psj.or.jp/gekkan/schedule/contest2015/detail2015.html

感動発信!感動共有!6月1日は「写真の日」。
6月1日の「写真の日」を記念して開催される写真展に展示する作品を公募しています。
撮影技術より写す人の心が感じられる作品を期待とのことで、「自由作品」と「ネイチャーフォト」の2部門は、家族、旅行、行事、ペット、乗り物、風景などのあらゆるものがテーマ。これまでに撮影したなかで“とっておき”を気軽に応募してみましょう。
作品展は6月12日~15日の東京・新宿アークタワーギャラリー3から始まり、北海道、新潟、福島、大阪~(中略)~福岡、高知と全国10カ所で開催されます。
上位24点の作品はすべての会場で展示されるご褒美がついています。ぜひ、自分の作品を写真展に飾ってみましょう。

応募受付期間:2015年1月23日(金)~2月24日(火)当日消印有効
賞  品:外務大臣賞(自由作品部門1名)、環境大臣賞(ネイチャー部門1名):賞金10万円+特製賞状、特別賞品
優秀賞(自由作品部門、ネイチャー部門各5名):賞金各2万円、特製賞状
そのほかにレディース賞、ヤング賞、協賛会社賞、入選などあり。※外務大臣賞などは一部予定です。


「おでかけマガジン」より、みなさまへ読者プレゼント実施中!

編集部が取材ででかけて撮影したたくさんの写真の中から、壁紙向きの写真をプレゼントします。お気に召されたら、壁紙などにお使いください。



多くの街路樹や庭の木が葉を落とし、色彩的には少々さびしい季節になりました。でも、どんなときでも色鮮やかなのがお花屋さんです。機会があって大きなフラワーガーデンの取材に行ってきました。そこでは冬でも色鮮やかなお花や鉢が販売されていたので、撮影させていただきました。越カメラマンの作品のように、とくに特定の花が際立っているわけではありませんが、よろしければ壁紙にどうぞ。

< 著者PROFILE >
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。
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